8 市民参加アベニュー 「環境に配慮した電気エネルギー輸送と貯蔵」

日 時:平成25(2013)年12月15日(日) 13:30~17:00
場 所:名古屋大学IB電子情報館中棟2階IB大講義室
参加者:148名

内容

東日本大震災後,電気エネルギーのあり方が各所で議論されている。そのような中,本寄附研究部門では,市民1人1人が電気の理解を深め,電気の大切さを再認識し,日常生活の場で実践するよう,定期的な講演や見学会を通じて学ぶ機会を「市民参加アベニュー」と題して開催している。例年は年2回を目途に開催してきたが、今年度は寄附研究部門第5期の最終年のため3回開催することにした。今回(第8回)は,今後の電気エネルギーの輸送と貯蔵で中心的役割を果たすと期待されている技術について,各技術の専門家を招き,一般市民向けに解説していただいた。

田中信夫 所長の開会挨拶,花井正広 教授の趣旨説明の後,前半は輸送技術の観点から2件の講演が行われた。竹田大輔 氏(東芝)からは「スマートグリッドの展開と、それがもたらすもの」と題し,日本における今後の再生可能エネルギーの大量導入に対しての需給バランスを確保する技術の説明がされた。楠瀬暢彦 氏(NEDO)からは,「超電導送電:電気エネルギー輸送のロス低減」と題し,超電導送電技術が実系統導入の実証試験を国内で行う段階まで来ていることが紹介された。

後半は,電気エネルギー貯蔵の観点から2件の講演がされた。入山恭寿 教授(名古屋大学)からは「Liイオン電池 及び 革新型蓄電池における現状と課題」と題し,有機電解液を用いるLiイオン電池の登場により劇的に二次電池のエネルギー密度が上昇したことが紹介され,今後の蓄電池の目指す技術開発について説明がされた。古田一人 氏(日本ガイシ)からは「NAS電池のアプリケーション」の題目で,大規模・長時間運転が実用化されている唯一の電力貯蔵用電池であるNAS電池の特徴について,適用例を含めて紹介がされた。

今回は,エコトピア科学研究所主催の国際会議ISETS ’13のサテライトセミナーとして開催したこともあり,一般市民だけでなく,学生,ISETS参加者などからも多くの参加があり148名の参加者を得た。